なぜだか安心する銭湯ー神奈川県川崎市「天然温泉 中島湯」

なぜだか安心する銭湯ー神奈川県川崎市「天然温泉 中島湯」

はじめに

南川崎は銭湯激戦区

 東京都の県境に位置する神奈川県川崎市、みなさまはどのようなイメージをお持ちでしょうか。川崎駅西口には東芝の工場地跡に建てられた日本有数のショッピングモール「ラゾーナ川崎」があり、東口はいわゆる「のむ・うつ・かう」という楽しみを未だに堪能できるダーティな歓楽街が広がっています。関西方面の方からは、「関東の尼崎」と言われたりするらしいですね。
 しかし、あまり知られていませんが、多摩川を挟んだ川崎・蒲田エリアは黒湯が湧出する温泉街でもあるのです。特に、川崎市の南側、川崎大師や川崎競馬場を要する川崎区は銭湯激戦区です。第一京浜(a.k.a 国道15号線)から産業道路の間だけでも、15以上の銭湯が営業しています。今回はその中から「天然温泉 中島湯」をご紹介いたします。
 宮造りではない一戸建て銭湯です。しかし浴室は天井の真ん中だけが湯気抜きとして高くなっており、ワンフロアを男女に分けたスタイル。有料のサウナとは別に、無料のスチームサウナもついています。さらに露天風呂もあるよ。

nakajimayu

中島湯の基本情報

天然温泉 中島湯
神奈川県川崎市川崎区中島2丁目7-13
Google Mapはこちら

駐車場   :無料駐車場14台くらい
サウナ   :あり
サウナ温度 :90℃くらい
水風呂   :あり(夏16~18℃/冬12~13℃) 
露天風呂  :あり
浴室    :普通
カラン数  :25人分くらい
天井    :高め
ドライヤー :無料
備え付け品 :リンスインシャンプー、ボディーソープ
料金    :入浴料490円+サウナ100円(安い!)
営業時間  :6:00~24:00
定休日   :不定休 ※月毎に下記サイトに掲載
公式サイト :http://www.nakajimayu.com/ ※サイト内の料金表が古いので注意

※全て筆者調べ/2022.1月現在

推しポイント

天然温泉!

 中島湯には黒湯の天然温泉が沸いています。泉質は「ナトリウム塩化物鉱泉」というもの。
 正直、中島湯に限らず温泉一般の話として、「温泉に入ってお肌がつるつるになりました」、「いつもより体のぽかぽかが長続きするわ」的な「温泉の入浴効果」なるものは本当にあるのか、僕自身はがっつり体感したことがなく、ちらほら見かける温泉効能の効果検証の実験結果に関しても「怪しいもんだぜ」と斜に構えて憚らないスタンスなのですが、とはいえ、初日の出を「なんだかありがたい気がするなあ」と感じるのと同じ程度には、「温泉に浸かってなんだかいい気分だなあ」と感じます。というか、温泉の本質は、入浴による物理的な効果などではなく、この「なんだかいい気分」なのではないか。だからおそらく、旅行などで旅館やホテルを選ぶ際にも、「温泉」の有無は調べるが、「泉質」までは調べないのではないでしょうか。
 と、関係ない話が長くなりましたが、中島湯には黒湯の温泉が沸いております。お手軽に「なんだかいい気分だなあ」となりたい時にはぜひ。

朝早くて夜遅い!

 なんと、毎日朝6時から空いています。しかも営業は24時まで。すげえ。公式サイトには「夜勤明けや出勤前の方に大変喜ばれております」と書いてあります。僕も以前夜勤のアルバイトをしていた時は、夜勤明け家に帰ってもすぐには寝付けず苦労した覚えがあります。ひとっぷろ浴びて完全にスイッチを切れる場所は、知っておいてもいいかもしれません。また、忙しい現代人、余裕を持って「出勤前に銭湯に行く」のもいいかもしれませんね。

なんだか安心する ※個人差あり

 中島湯は「中盛会商店街」の中央に位置しています。そもそも商店街の中にあるという点が好きなポイント。また、この商店街の道幅が広く、周りに高い建物も少ないので、空が広く、抜ける風を感じることができます。遠くから赤ちゃんの泣き声がほんのり聞こえてきたり、商店街で井戸端会議をしているおばちゃんたちを見かけます。
 中に入ると、劇団のポスターが貼ってあります。近くの劇場で、大衆演劇が行われているとのこと。油性マジックで連絡先が書いてあり、おそらくそこに電話するとチケットが買えるのでしょう。最近、地域に根付いた劇団のポスター見ましたか?
 客層はさまざまで、朝から昼は地域の常連おじいちゃんおばあちゃん、夕方から夜は、若い子供連れの夫婦や友達と来ているグループ、近くにお勤めしているらしい作業着姿の方々もいらっしゃいます。
 分かりますかね。この安心する感じ。ぜひ体験してください。

オススメ時間

何時に行ってもいい時間

 車がないと行きづらい場所にあるためか、混んでるイメージはあんまりありません。休前日の18時〜22時はちょっと混みますが、気にするほどではないかも。逆に貸切状態も経験したことがないので、コンスタントにちょうどいい感じです。何時に行ってもOK。

注意事項

 サウナが若干ぬるい気がします。90℃前後。特に冬場は水風呂がキンキンに冷えるので、なかなかサウナでもあっったまらないくらい…。露天風呂のスペースに椅子も置いてあるので、外気浴もしっかりできます。ただし、給水機はあるものの、コップが共通なので、使うのに勇気が必要です(僕は使ったことない)。

 また、閉める作業の開始時間が早いので、23時半にはサウナのスイッチが落ち、黒湯が抜かれ始めます。ゆっくりしたい方は早めに行くといいかもしれません。

まだまだある中島湯のいいところ

なにより安い

 サウナ込みで590円ですが、さらにシャンプー&リンスとボディソープが備え付け、ドライヤーも無料で使えます。タオルも+70円で大小の両方ついてきます。安い!

謎の鉱石風呂、その他

 露天風呂は、「人工北投石」なるものが入っています。秋田県の玉川温泉が「北投石」の産地らしい。どういう効果があるのか、湯に浸かってぼんやりしている時はすることがないので、その説明を読むのですが、ぼんやりしているため覚えることができず…。
 他にも、不規則に妙に強い電気を発する電気風呂や、受付で利用するロッカーの鍵を渡される「川崎スタイル」(と勝手に呼んでいる)についても言及したいのだが、今回はここまでにしておく。中島湯、おすすめなのでぜひ。