舐めててすみませんでした…渋谷区「改良湯」☆2/18リニューアル!
- 2022.02.20
- 町銭湯紹介
- 熱湯, 町銭湯初心者にオススメ
先日、たまたま渋谷での待ち合わせまで時間が空いたため、風呂でも入るかなと調べたところ、渋谷と恵比寿の間にある「改良湯」がリニューアル当日とのこと。「渋谷の銭湯なんて混んでるしぜってーマナー悪いだろ」とあんまり期待しないで入りましたが、いやはや、舐めててすみませんでした。気配りの行き届いた小粋な町銭湯でした。
はじめに
都心の町銭湯って…ねぇ?
私は様々な町銭湯がひしめくTokyo South Peak a.k.a.大田区のレペゼンです。下町ということもあってか比較的に広い銭湯が多く、それが当たり前だと思っていました。大人になり、時たま都心にある銭湯に付き合いなどで行くと、その度に「せめぇ、混んでる、マナー悪い」と残念な気持ちになります。新しい町銭湯を開拓するときでも、まず都心の銭湯は候補に入りません。
「改良湯」はそんな私のしょうもない偏見を綺麗に壊してくれました。とりあえず基本情報を見てみましょう。
改良湯の基本情報
改良湯
〒150-0011 東京都渋谷区東2-19-9 渋谷駅徒歩15分
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駐車場 :なし
サウナ :あり
サウナ温度 :混んでて入れませんでした…
水風呂 :あり(そこそこ冷たい/16~18℃)
露天風呂 :なし
浴室 :狭い
カラン数 :20人分くらい
天井 :低め
ドライヤー :3分20円
備え付け品 :リンスインシャンプー、ボディーソープ
料金 :入浴料480円+サウナ450円(バスタオル付き)
営業時間 :平日13:00~24:00、日12:00~23:00
定休日 :土曜日
公式サイト :https://kairyou-yu.com/
※全て筆者調べ/2022年2月現在
推しポイント
全体のデザイン設計がイケてる
「デザインがイケてる」というのは「機能している」という意味で、何も見た目がおしゃれとか、内装がカッコいいということではないです(見た目はかっこいいけど)。「機能している」とはどういうことか。端的に表すと、
・混んでたけど、不快感はなかった
・浴室は狭いけど、狭く感じさせない
という感じです。もう少し説明しますね。
・混んでたけど、不快感はなかった
人の導線と、照明と湯煙の使い方が絶妙。浴室内に通路が複数あり、一つの通路であまり人がすれ違わないようになっていると思います。多分。
・浴室は狭いけど、狭く感じさせない
浴室の壁は黒く、照明も暖色系で暗め、天井にはブルーライトの間接照明が映えます。シャワーが熱めに設定されており、湯煙がモクモク、暗めの浴室の向こうの壁が見えずらい感じになり、実際より奥行きを感じることができます。妙に熱いシャワーは湯煙を立たせるためにあえてやってるんじゃないかなと思います。さらに、湯船もちきんと熱いですが、これは湯煙というより、湯船の温度が高いのほうが客の回転が早まるためではないでしょうか。どこまで意図しているかはわかりませんが。
つまり、都心の銭湯の弱点(狭くて混む)をデザイン設計で綺麗にカバーしており、むしろ何だかいい感じになっておりました。都心町銭湯の本気を見た気がします。舐めててすみませんでした。
人数制限とかはどんどんやるべき
リニューアル当日だからか、元々人気の町銭湯だからなのかは分かりませんが、結構混んでました。僕が受付したときはすでにサウナは満員、「ロビーでお待ちいただくことになります」とのこと。時間が潰せればよかったので入浴だけで入りましたが、ロビーでお客さんを待たせるのは珍しい。全然良いと思います。
そもそも銭湯は絶対的な広さやカランの数は決まっているので、快適に過ごせる人数も決まっています。その限界を超えると、サウナに並んだり、カラン待ちが発生したりしてしまいます。これでは快適な体験とはいえず、また来ようとは思いません。リピーターが生まれないのは経営的にもあまり嬉しくない。だったら、ロビーで待たせておいて、浴室内の体験を向上させた方がいいのは間違いありません。この思い切りは素晴らしいと思いました。
ちゃんと注意してた
個人的には、公共空間のマナーやルールというものは変動的なものであると思っています。必ず守らなければならない絶対的な何かは存在しない。
例えば、「サウナの後はかけ湯をして汗を流してから水風呂に入りましょう」というルールが多くの銭湯には存在します。これはもっともで、汗を流さないと、その後の人たちが、汗が浮いた汚い水風呂に入ることになってしまいます。こんなことは説明しないでもわかる。
ただ、営業終了間際の貸切状態ならどうでしょうか。客は自分一人で、もう営業終了1分前。個人的には、この場合なら、水風呂にこの後入る人はいないので、別に汗など流さず水風呂に飛び込んでいいと思っています。それでも賛否分かれるような気はしますが、とりあえず変動的とはこういう意味です。
最近では、どこの銭湯でも、「黙浴」なるポスターが貼ってあります。会話を控え飛沫感染をおさえましょう、というやつです。改良湯にも貼ってありましたが、ふと、外気浴スペースで盛り上がっている声が聞こえました。近くにいたおじさんが舌打ちし、いざ注意せんと立ち上がりました。「ミシェル・フーコーが言ってた権力の視線の内面化ってこういうことだよなあ」と銭湯文化を知らぬであろうフランスの哲学者の監獄論を思い出していると、おじさんより先に銭湯の若いスタッフがきちんと一言付けていました。スタッフのこういう教育ができている銭湯はなかなかないんじゃないでしょうか。偉い、というか、舐めててすみませんでした。
舐めててすみませんでした
改良湯の湯船に浸かりながら、自分の偏見を洗い出すいい機会なりました。備忘録的にメモっておきます。
偏見1:立地の良い銭湯は放っておいても客が来るので、企業努力とかあんまりしない
偏見2:「昭和レトロ」「あの頃の銭湯」幻想から脱却できず、そのまま朽ちていく銭湯は多い
偏見3:都心の銭湯はアホが多い
アホは自分だったな、と心に刻んでおきます。忘れないように定期的に改良湯に行こうかな。
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